泣くほどの・・・

9月のある日、ピッコロで「おじいちゃんおばあちゃんと森に行こう」の日がありました。

毎年敬老の日の近くで、祖父母のみなさまと子ども達が1日を過ごします。

おじいちゃん・おばあちゃんと一緒だと、いつもの子ども達が急に甘えん坊の幼い顔になり、なんとも微笑ましいのです。
年少さんはまだまだ祖父母の方にたくさんお世話されていたり、年長さんは逆にあれやこれやと気を回して手助けしていたり。

年中のみーちゃん(娘)は、当日おじいちゃんもおばあちゃんも居ませんでした。

「おばあちゃんが居ないからピッコロ行きたくない」
前日の晩にそう泣いて、でも気分をかえたのか、当日はさらっと登園。

そして、朝の会で、「おじいちゃんおばあちゃんのすきなところ」を発表する場面がありました。
みーちゃんは年中さんなので、発表してもしなくても、自分で決めていいことになっています。

先生が「うさぎさん(年中さん)~!」というと、ものすごく神妙な顔で前にでるみーちゃん。

そして、すごく大きな声で名前を言って、
「おばあち”ゃんの(・・泣きそう)、ずきなどころは・・(この辺りでもうちょっと泣いてる・・)ぜんぶぅ~・・」
と言ってさっと席に戻り、座ったとたんに
「うわーーーーん!!」と泣いた。

もう、頑張って頑張って、気持ちがいっぱいになってしまって泣くしかないという感じ。

朝の会が終わって、祖父母の方に混じってその場にいた私(母)のところにすすすっときて、
私に抱きつきながらまた「うわーーーん」と泣いた。

知らない大人がたくさんいるなかで、発表することはとても勇気がいる。

中島先生が、なぜそんなに頑張って発表したのかをみーちゃんに聞いてくれた。
彼女の答えは、
「せっかく来てくれたから」
「来年のときは、(今日来てくれた人は)来ないかもしれないから」
と。

言い終わって大声で泣いてしまうほどなのに、
それでもありがとうをつたえたいと思った彼女の勇気に感動しました。

そして、「自分のおばあちゃんだから」ではなくて、お友達のご家族の方であっても、こうしてピッコロに来てくれたことにもこんなにも感謝の気持ちを持てるなんて・・・。

「ありがとうを言いましょう。せーの!」と言っても、きっとこの娘の気持ちは育まれない。

「何かしてもらったらお礼を言うのよ」としつけてみても、きっとこの娘の気持ちは生まれない。

彼女が、ありがとうを伝えたくて泣くほどの気持ちで頑張った。
頑張りたいと思ったその気持ちを、これからもそっと大事に応援していこうと思いました。

母ができることは、頑張ってる娘が時に涙で頬をぬらして私のところへ帰ってきたら、よしよしと背中をなでてあげることぐらいだな、、、もしかしたら、泣いて胸に飛び込んでくることもそのうち自分で越えていってしまうのかしら・・・?と少しだけセンチメンタルになった母でした。

みーちゃんの母