長い棒

ある日、森を歩いていた
はるひとくんが「長い棒だから危ないよ!」
と、わこちゃんに言っているのが聞こえた
わこちゃんは、長い棒を持って歩いていた
ピッコロでは棒を下向きにするということが約束だ
(目に当たって目が見えなくなる)
わこちゃんは、下向きにして歩いていた
(気を使って歩いていた)が
長い棒なので後ろを歩いている、はるひとくんに当たっていた

その言葉を聞いた周りの子は
「顔に当たった」
「ここがぶつかった」
「痛かった~」
など、近くを歩いていた5~6人に当たっていた

すると、一斉に
「長いから半分にすればいい」
「短くすればいい」
どうすればいいかを考えはじめた

わこちゃんを責めるようなことは言わない

わこちゃんは長い棒を持って歩きたいので
「いやだ~」と泣く
すると
「短くしたくないなら違う棒にすればいい」と言うが
「いやだ~」と泣く
この棒がいい
これもだめだ

そこで、パイナップル組のあいちゃん(年長)
「棒が長すぎるから折ればいい」
と言い、後ろの方を少し折る
半分にするのもだめだったし
違う棒でもだめだった
この棒でなくてはいやなんだと感じたあいちゃんは
持っている長い棒の後ろの部分を折った
わこちゃんに寄り添う気持ち
その気持ちが伝わり一瞬泣き止む

しかし、まだ棒は長いので
それを見ている子「もっと折らないと」
と言うと、また泣く
せっかく見つけた長い棒、折られたくないわこちゃん

すると、それを見ていた
りょうちゃん(おばけ組、年少)が
「棒を立てればいい」
さっそくわこちゃんの手を持ってやってみる
りょうちゃん「空に誰もいないからぶつからないよ~」
本とかマニュアルにない自分の言葉
泣き止むわこちゃん
子ども達のやりとり!とにかくすごい!

すこし歩き始めるとまた泣き始めるわこちゃん
今まで慣らしのためお母さんが一緒に入っていたが
今日からお母さんは家に帰っている
泣きながら「おんぶしてほしい~」
ちょっと甘えたい感じ
その言葉をきいた、はるひとくん(うさぎ組、年中)
水筒と棒を急いで私に渡しながら
「これ持ってて!」
背中をわこちゃんに向ける
「おんぶするよ~」
優しい~
(その背中がかっこいい!!おんぶしてもらいたくなる!!)

しかし私じゃないといやだという(もったいない)

(1人で登園、初日なので甘えたい気持ちもわかるが、
やっぱり1人で歩いてもらいたいので、あえておんぶしない)
私「ごめんね~木を持っているからおんぶできないよ」
と言うと
しかたがないので歩く(歩ける)

私の右手にわこちゃん
左手にさきちゃん(うさぎ組、年中)
3人で歩く

すると、わこちゃんが私とつないでいるさきちゃんの手を払いのけようとする
さきちゃんがいやそうにしている
どうしてなのかわからない
すると
きーちゃん(うさぎ組、年中)
「なんでそういうことするの!!」
怒っている!友を泣かせるなんて!という感じ

泣いているわこちゃんに聞くと
「(棒が)重たいから持ってほしい」
(私に棒を差し出す)
私「でもさきちゃんと手をつないでいるし、いやがっているよ」
と言うが
1人占めしたい感じもあり
さらに手を離そうとする
さきちゃん「さきもつなぎたい~」と泣く
それをみたきーちゃん
「棒は自分のなんだから自分で持ちなよ、
それができなれば置いていけばいい」
きっぱり言う
おお~っ!!

しかしまだそれができない
まだ入ったばかりのおばけ組のわこちゃん
手を離したくないさきちゃん
2人とも泣いている

すると
その様子をみていた
(き)はるとくん(パイナップル組、年長)がさきちゃんに
「ぼくの手も空いているよ」と手を差し出す
すると泣いていたさきちゃん
泣くのをやめて、す~っとはるとくんと手をつなぐ
少し前までなかなか譲らなかったさきちゃんが譲った
それをみたわこちゃんも落ち着く

後ではるとくんに
「どうしてさきちゃんだけに手が空いているよと言ったの?」
と聞くと
「さきちゃんはがまんできると思った」
自分だけではなく
他の子の(ここまでならできる、ここはできない)というような
成長段階?がわかっている
毎日毎日このようなことが起きていて
すごすぎてその場にいられない~

スタッフ まなみ