1個の栗

栗が落ちていたので
「大きいね~」というと
隣にいたわこちゃん、みゆちゃん
(2人ともおばけ組、年少)が同時に手を伸ばす
1個しかない栗
ちょっともみあいになり栗を手にしているみゆちゃん
ピッコロに来てまだ日が浅い2人
わこちゃん「わこもほしい~」
みゆちゃん「みゆだってほしい~」
「どうする?」と聞くが、どうしていいか悩んでいる
いつもだったらこんなとき、パイナップル組(年長)が
あっという間に飛んできて解決してくれるのに
今日はパイナップル組は別コースで歩いている

周りを見てみると
わこちゃん、みゆちゃんの前をりょうちゃん(年少)が歩いている
私「りょうちゃん、どうしたらいいかな?」と聞いてみる
何の話だろう?
という反応が返ってくると思っていた
わざと今のやりとりを説明しなかった
ピッコロで何かあって遠くにいても何が起きているか把握している子ども達
近くにいたのでもしかしたら聞いていたかも?でもおばけなのでまさかね~?
と思いながら聞いてみる

しかし!!!
りょうちゃん「ちょっと貸してあげればいい」
今の話を聞いていた~!!!
びっくり!!!
やっぱり気にしていた
自分のことだけでなく人のことを考えていた

そこで2人に聞いてみた
私「りょうちゃんがちょっと貸してあげたらだって」
みゆちゃん「いやだ」
貸したくない気持ちもわかる

ちょっとずつ歩きながら話をする
わこちゃん、みゆちゃん2人の歩くスピードに合わせながら
りょうちゃんも歩く
歩きすぎたら止まる
気にして歩いている
(絶妙!すごすぎる!)

またまたりょうちゃんに聞いてみる
私「みゆちゃん、いやだって」
「ふーん」といいながらまた考え、
りょうちゃん「半分にすればいい」
それはいいアイデア!
さっそく「半分にすればいいだって」というと
わこちゃん、みゆちゃん
「半分はいやだ」「1個がいい」「丸いのがいい」、、、
これもなんだかだめそう

そこで、またまたりょうちゃんに
私「半分いやなんだって~」というと
またまた考える
りょうちゃん「りょう、拾ってあげるよ」
自分が探してきてあげるよ
やさしい話し方で2人に話す
温かさを感じた
気持ちの部分で動かそうとした
なんとか、どうにかしようとするおばけのりょうちゃん
こんなに人のために考えることができる
子どもってすごい

スタッフ まなみ