気のきかせ方

ピッコロでは先生も保護者も一緒に運営をしている
この日も保育が終わり、ミーティングをしていた
月に2回、先生と保護者で話し合い決めていく
ミーティング中は子ども達を見守りながら話し合いをしている
話し合いをしながら子ども達を見ていると、いつも朝の会、帰りの会をする
「おふろ」と呼ばれている集まりの場で、なにやらやっているのが見える
(おふろは細長い木の板を丸くなるように置いてあるだけ)

ミーティングの合間に
パイナップル(年長)のこうようくんが
「おふろ広げたよ~」
と、うれしそうに話す
あっくん(年長)、しんさん(年中)も一緒に広げた

子ども達が何かやるには理由があるので聞いてみる
私「どうして広げたの?」
こうようくん「ミーティングでたくさん座れるように」
ピッコロによく見学、視察の方が訪れる
子ども達が座るといっぱいになってしまい
見学、視察の人は子ども達の後ろに座っている
その人たちのために広げたという
そこまで考え広くした!
大人は指示も何も言っていない
いつも他の人のことを考えているこうようくん
自分の頭で考え、一緒に座りたいかな?とか
座りづらいかなということを考えて広げた

さらに、椅子が2つ置いてある
先生はみんなの顔が見えるように椅子に座る
それを用意しているにしては1つで十分だが、2つある
私「どうして2つあるの?」
こうようくん「明日はなちゃんの誕生会だから」
次の日は、はなちゃんの誕生会
いつも誕生会のときは、先生の隣に椅子で座る
はなちゃんが座れるように前の日から準備していた
次の日のことも考えている
(どうしてそこまで気がきくのだろう?)

また、入園準備説明会のときに、持ち物の所で「カッパ」の説明をした
説明だけでは解りづらいかなと思ったので、見本があればとカッパを用意した
そのカッパを見せながらスタッフが説明をする

すると、後ろで
こうようくん「リュックいる?」という
リュックも見せた方がいいかと思って持ってきてくれたんだ
さすが!!と見てみると
「非常用リュックいる?」と持ってきてくれた
(いつものお弁当入っているリュックではなく、
懐中電灯やジャンバーなどが入っている防災用のリュック)
これも見たほうが解りやすいのではと気を利かせて持ってきてくれた
大人の考えつかない所にいる

今度の感謝祭(10月20日(土))で
パイナップル組はポップコーン屋をやることに決まった
実際にポップコーンを作り、どの味にするか味を決めた
その日の午後(入園準備説明会)
木の下にシートをひき、なにやらやっている
「何しているの?」と聞くと
こうようくん「ポップコーン屋さんをここでやる」
という
私「そうなんだ、ここでやるんだね~それでこの後ろにある棒は?」
(短い木と木の上に棒が渡してある)
と聞くと
こうようくん「赤ちゃんが入ってこないように、熱いでしょ(火を使うので)」
という
なるほど!

それにしても、ちょっと見えづらい場所にお店屋さんがある
木の下で少しメインからはずれている
私「どうしてここなの?」
と聞くと
こうようくん「いつも向こうばかりでしょ、
お客さんに全部に行ってもらいたいから」
私「どうして全部に行ってもらいたいの?」
こうようくん「ピッコロを気に入ってほしいから」

自分のいつもいる場所を気に入ってもらいたい
ピッコロの全部を他の人に知ってもらいたい
知ってもらいたいぐらい、うれしい気持ち
こうようくんにとって、大好きな場所
それを気に入ってもらいたい
いつも先へ先へと気を利かせ、人の気持ちで動いている
人のためにこんなに考えられるなんて
本当に毎日すごすぎ~

スタッフ まなみ