水筒

ピッコロでは朝の会が始まるときに
水筒、帽子を持って(身につけて)集合することになっている
森や川に行くときには必ず持って行く
朝の会が終われば
すぐ行くことができるからと子ども達が考え用意して座る
そうやって受け継がれてきている

そして1日が朝の会から始まる
準備した子ども達が座る
年少のりょうちゃんが水筒をかけていない
朝の会が始まるよというだけで集まり座っているりょうちゃん
(まだ5月が始まったばかり、それだけですごいと思う)
先生「りょうちゃん行けるかな?」
と一言
言い終わらないうちに
あいちゃん(年長)が走り、荷物の所を探しりょうちゃんの水筒を持ってきた
りょうちゃんは水筒を受け取る

すると、こうだいくん(年少)は
「ありがとうを言ったほうがいいよ、せっかく持ってきたんだから」
してもらったことに感謝する
そのことが年少のこうだいくん、よくわかっている
そして「今の方がいいよ」
と背中を押す
しかし、ちょっとおどけてみせるりょうちゃん
あいちゃん「(前に)あとでありがとうするって言って言っていなかったよ」
こうようくん「りょうちゃん何かしてあげたときも言わなかったよ、剣探したときも」
(どうやら剣を探したときがあったらしい)
たっちゃん「りょうちゃん、言わないから」
と、みんなよく覚えている

こうだいくん「言ったほうがいいよ、
おじいさんとかおばあさんとかおかあさんとかおとうさんとか悲しいよ」
(みんなが悲しくなるから言った方がいいよということ)
あいちゃん「話しかけても何もしないよ~」
先生「ありがとうしてこようか~」
と促すが
りょうちゃん「いやだ」
先生「何でいやなの?」
りょうちゃん「なんでかわかんない」
こうだいくん「自分の気持ちじゃない」
自分の気持ちなんだからわかるでしょと3歳のこうだいくんが言う
(す、すごい!)

たっちゃん「ありがとうしないとお名前呼べないよ(朝の会が始まらない)、
一生遊んであげないよ」
(一生、、、子どものここまでの言葉、ありがとうを言ってもらいたいという気持ちから)
こうだいくん「早くしないと川にも行けないよ」
かほちゃん「早くしてよ~」
このことが解決しないと行けないということがわかっているおばけ組(年少)

考えて考えてそれぞれ考えている
だいちゃん「かわりにありがとうを言う?」
こうだいくん「自分で言った方が楽ちんだよ」
先生「(誰か)かわりに言っちゃう?」
あいちゃん「一緒に言えばいい」
と言いながらりょうちゃんの隣に座り
「あいがいい?」と聞く
一緒に言ってあげるよとやさしく聞く
しかしりょうちゃんは何も言わない

こんなときは、、、と、子ども達、考えていると
みんな1つのことを思いつく
「あっくんだ~」
りょうちゃんはあっくんのことが好きで
お弁当のときなどあっくんを探して隣で食べるぐらい大好きで
みんなもそれを知っている
こうようくん「あっくん好きなんだよね」
すると、もうしょうがないな~という感じで立ち上がり
りょうちゃんの前に来ると手を握り
一緒にありがとうを言うためにあいちゃんの所に行こうとするが動かず
りょうちゃんはあっくんの頭を触ったりしてうれしそう
ありがとうをいうところまでいかない
なんとかしてありがとうを言ってもらいたいと必死で考える

すると、こうだいくん
「ここに3人座ればいい」
ありがとうを言ってもらいたい人が近くに行ったらりょうせいくんが言いやすいのでは
言ってもらいたい人が動くということ
(3歳!ここまでの長い話、集中力がすごい!)
しかし、言ってもらいたい人はりょうちゃんに来てもらいたい

りょうせいくんは動かないので
あいちゃんは抱っこして動かそうとする
頼みのあっくんに聞くが無理とのこと
こうようくん、たっちゃん、はると(き)くんが近くに行き連れてこようとするが
やっぱりだめだと戻る
しんさんも行くがなぜが戦い(!)に
そうこうしているうちに
今まで自分が座っていた場所から
皆が座っているところへ移動しあっくんの横に座り
朝の会が始まる

川に行く途中、道路を渡って行かなくてはならない
道路の手前で全員来るのを確認してから
行こうとすると
パイナップル組(年長)が
いつの間にかおばけ組(年少)と手をつないでいる
道路は危ないのでパイナップルとおばけがつなぐ
ということがいつの間にか定着していった
そのときりょうちゃんは誰とも手をつないでいなかったので
「りょうちゃん1人だね」とつぶやくと
はると(き)くんがさっと手をつなぐ
その小さい一言だけで動く

道路を渡り終わってほっとしたときに
りょうちゃんがはると(き)くんに
「ありがとう」
と言った

みんなの言葉が心の中にしっかり入っている

スタッフ まなみ