おかあさんになる

新入園の子がお母さんと離れて1日を過ごす
この日は初預かりのあっくん
朝、普通にお母さんを見送っていた

自由遊びの時にブランコに乗りたかった
でも他の子が乗っていたこともあり
乗ることができないままお弁当の時間になってしまった
乗れなかったことで泣いていた
そしてお母さんに会いたくなってしまったあっくん

周りの子が動く
どうしたらいいのか
抱っこしてお弁当の所まで連れて行ってあげる
お弁当を持ってきてあげる
シートを広げてお弁当を食べやすいように出してあげる
すぐ食べられるように手も拭いてあげる
それでも泣きやまない

やっぱりお母さんがいい

パイナップル組(年長)の女子数名が
一旦お母さんの所に連れて行ってあげようと提案
(お母さんは建物の中でミーティング中)
手をひいて連れて行ってあげる

しかしなかなか戻ってこない
やっと戻ってきたと思ったらお母さんも一緒に来てくれた
でもお母さんはミーティングがあるのでまた戻る
よけい泣くあっくん

パイナップル女子にどうだった?と聞くと
「失敗だった」
という
お母さんの顔をみたら落ち着くだろうというアイデアは違っていたという
(ここで保育者はわざと失敗させるということ)
この方法は違っていた
じゃどうする?って考えられるように

ここで急に雨が降ってきて
ビニールハウスに移動する
すると少し落ち着いてきたので
水筒を持ち
「中身は何かな~」と言ってみると
水筒の水を飲む

そして「どんなお弁当かな~」と
お弁当を開けてみていたら
急にたくちゃんが
「お母さんがいいよね~」
とあっくんに言う
(今までの流れ全部見ていたということ)

そして、これまた急に
「おかあさんになってあげるよ」
といい
ソーセージをフォークに刺し
あっくんの口に運ぶ

あっくん食べる

この日、実はたくちゃんも初預かり
きっとたくちゃん自身もお母さんに会いたくてたまらなかったはず
その気持ちがわかる

だからおかあさんになってあげるよ

自分がつらいときに
目の前につらい人がいたら何かしてあげられるだろうか

あっくんのその日のお弁当
何も残っていなかった

保育スタッフ まなみ