ピッコロからの帰り道

黄金色の田んぼ

私の娘のチコはピコと仲良しです。
一日中一緒にいても、まだまだ一緒にいたいくらい仲良しです。
トイレだって一緒に行きます。

チコが他の子と衝突した時は、ピコがそっと横に寄り添って
「チコは◯◯されて嫌だったんだよねぇ」
と気持ちを代弁したり、チコが言ったことを繰り返したりして、チコの気持ちに共感してくれます。

ピコが一緒だと、チコは大きな声で意見を言うことができたり、
友達を助けに行ったり、お昼のお祈りを大きな声で言えるように
なりました。

ただ、どんなに大好きで仲良しでも、同調することはなく、
ピコとチコは意見が違う時もよくあるし、そういうものだと
二人は思っているようです。

さて、先日、チコの母である私がピコをお預かりしました。

ピッコロが終わった後、二人を連れて車に向かおうとしたら、
チコが泣き出しました。
「Kちゃんの車に乗りたい〜!絶対にKちゃんの車がいい〜!」
あーややこしい、と思った瞬間、ピコが言いました。
ピコ自身がね。

「チコがピコを独り占めできるね!」
「うん」

チコはすっと穏やかになり、また二人でお喋りしながら
車に向かったのでした。

!!!
私は、のけぞったというか、つんのめったというか、
道沿いで一人コントのようになりました。
なんだこりゃ!

”自己肯定感”という言葉が稚拙に聞こえるほど、
「自分は他の人にとって絶対的に大事な存在で、
 自分と一緒にいられるなんて幸せだ」

と疑いようもないレベルで当たり前のこととして、思っているのです。
ピコは。

私だったら、こういうことを言うのにてらいや恥じらいがあるな、
そんなクサいセリフ言えないな、
そもそもこんなこと思ったことない!
と思ったのは、自分に自信がない大人(私)。

私はあまりの衝撃に立ち尽くし、その場に取り残されてしまったのでした。

過去にピッコロを卒園し高校生になった子供が、同じようなセリフを
言ったという話を聞いたことはありましたが、実際にその場に
居合わせると、ガーン。
すごい衝撃です。

子供の中ですごいものが育っていることだけはわかります。
きっとこれは一生の宝物なんじゃないかな。
彼女にとっても社会にとっても。

年中保護者MK