白い花

ある日、年中同士がもめていた。

「2人がいい!」

「3人がいい!」

ゆりなちゃんは、はるくんと遊びたい。

ひなちゃんは、はるくん、ゆりなちゃん、ひなちゃんの3人で遊びたい。

 

そこでゆりなちゃんに聞いてみる。

私「どうして2人で遊びたいの?」

ゆりなちゃん「はるくんと、あしたあそぶから」

私「明日遊ぶから今日2人で遊びたいんだね」

ゆりなちゃん「うん」

 

今度はひなちゃんにも聞いてみる。

私「どうして3人で遊びたいの?」

ひなちゃん「3人がいい」

私「3人がいいよね」

ひなちゃん「うん」

 

これを聞いていた、はるくんはどう思っているのか。

私「はるくんはどう思っているの?」

はるくん「みんなであそぶ、ふみちゃんいれて」

私「ふみちゃんも入れて、みんなで遊びたいんだね」

はるくん「うん」

それぞれの考え、思いがある。

 

みんなの話を聞いたゆりなちゃん、ひなちゃんは

「2人がいい!」、

「3人がいい!」と自分の気持ちをぶつけていた。

どちらも引かない。

すると、はるくんとゆりなちゃんの間にひなちゃんが入り、

それがいやでゆりなちゃんが泣いてしまった。

 

 

その泣き声に、

何人も「どうしたの?」と集まり、それぞれ考えてくれる。

年中のじんくんは、

色々聞いて「(どちらも)いやだばっかり、じんはどうにもできない」

年少のえっせいくん「こっちたのしいよ~」(自分は泥の中に入って女の子2人を誘う)

年中のえいちゃん「にらめっことか、じゃんけんする」

年長のりっくん「じゃんけんではじゃんけんのことになってしまうから決まらないよ」

私「じゃんけんのことってどういうこと?」

りっくん「だれが勝ったとか、負けたとかのはなしになる」

(2人がいい~、3人がいい~の話なのにじゃんけんで勝った、負けたの話になってしまう)

など、どうしたらいいか一緒に考えてくれていた。

本気で考える、その場を生きている。

困ったね~どうする?と自分事になって考えていた。

 

はるくんは何も言わず、ただみんなのやりとりを見ていたが、

途中からどこかへ行ってしまったので、

どこかに遊びに行ってしまったのかなと思っていた。

 

すると、、、

はるくんが戻ってきて、何も言わず「白いお花」を2つ、ゆりなちゃんに渡した。

(い、いま2人がいい~、3人がいい~の話だったよね???

で、どうする?という話だったよね?あまりにも驚いて、、、驚きすぎた)

(やっと)

私「どうしてあげたの?」

はるくん「泣いていたから」

(泣いていたから探しに行っていたはるくん。

遊びに行ってしまった?なんて思っていた私、、、)

ゆりなちゃんが受け取ると、またどこかに行ってしまうはるくん。

 

(まさか。。。)

戻ってくるとまた「白いお花」2つをにぎりしめていて、

今度はひなちゃんに渡すと、遊びに行ってしまった。

(はるくんに、どうしてひなちゃんにも渡したのか聞いたが何も言わなかった)

「白いお花」2つを受け取った2人は、その後2人がいい、3人がいいと言わなくなった。

 

はるくんはあきて遊びに行っていたわけでもなく、

めんどくさくてどこか行ったわけでもなく、

泣いているゆりなちゃんをどうにかしたくて考えて、「白いお花」を摘んできて渡した。

 

大人が「いつまで2人がいい~、3人がいい~と言っているの?」と

怒ることもなく、「こうしたらいいんじゃない」と提案するのでもなく、

ただ子どもの時間がながれていて、

はるくんは「白いお花」をあげたい気持ちだったということ。

子どもは何かをやっている。

 

保育スタッフ まなみ