繋がっていく

卒園式直前、2020年度最後のピッコロ登園日のこと。兄のお迎えに一緒に連れてきた2歳の次男とおばけ(年少)のRくんが、棒の取り合いのケンカを始めた。

2人とも、ギャーギャーものすごい大泣きしながら、でも決して引かない。放課後ではあったが、次第に子供たちが集まってきた。

「どうしたの?」「2人ともこの棒が欲しいんだって」と状況を説明すると、パイン(年長)のSちゃんは、「もぉ~。男って、棒が好きよね~」と、言いながら、似たような棒を探してもってきてくれた。その言い方には、深い深い愛情が感じられ、あぁ、Sちゃんって、こんな子だよなぁと、いつも心の底から寄り添ってくれていたことを思い出した。

それでも、棒をめぐっての取り合いは続く。どちらも譲らない。Sちゃんの棒探しに、卒園児のHちゃん&おばけのFちゃん姉妹も加わり、取り合いをする2人のまわりは、棒で一杯になった。

「この棒は、剣みたいだよ」「これは、長くて先が尖っているよ」「恐竜の化石みたいな棒だよ」と、2人が気に入りそうな長くてかっこいい棒をピッコロ中から探して持ってきてくれている。それなのに、2人ともまったく引く気配はない。。

そこに、パインのKくんが現れた。「どうしたの?」状況を説明すると、Kくんも棒を探し始めた。が、Kくんは、「これは?これは?」と、2センチくらいの短い棒や、ちょっと変な棒を次々持ってくる。どうやら笑いをとって、場を和ませようとしているみたい。あぁ、Kくんって、こんな子だよなぁ、入園したての長男が泣いてたときも、「あれ、虫がいるよ」なんて、さりげない変化球の優しさをくれていたことを思い出した。

いろいろな優しさを沢山沢山くれたパインさんたちも、卒園してしまってもういない新年度初日の今日。

新うさぎ(年中)の女の子が泣いていた。ケンカして、お友達に押され、転んでしまったらしい。

そこに、2歳の次男が駆け寄り、女の子の服についた泥をはらいながら「イヤだったね~」と声をかけていた。その言葉は、決して表面的なものではなく、心の底から寄り添う声に聞こえた。

入園前にも関わらず、次男の中には、SちゃんやKくんをはじめ、沢山のピッコロっ子たちからもらった優しさや心から寄り添ってもらった経験が積もっている。その優しさや経験が次男を作ってくれているのだと思うと、卒園していった大好きなみんなとも別れも、新しい出会いへと繋がっていくものなのかなと感じ、あたたかい気持ちになった。

明日は、ピッコロ第15回入園式。こうしてずっとずっと繋がってきて、繋がっていく。

ありがとう。

新パイン保護者 A.T