ピッコロ卒園OBの声②

現小4の母

学校でなにかあったかなぁという時、息子が自分でそれを流さず心にとめていた時、ちょっと声をかけて、親子でじっくり話ができるのは、親子でピッコロを経た時間があるからかなぁと感じている。

同級生のみならず、上級、下級生、先生方、はたまた初めて出会った中学、高校生、よその保護者とのコミュニケーションの取り方が独特で、いつも適度な距離感があって(見ていて心地よい)、わが子ながら、こんな風にコミュニケーションを取れるなんて、すごいなぁと感心してしまう。言いかえれば、息子は、だいぶまわりの人に助けられながら生きているのだな、とも思う。

教員生活が長い3年生時の担任には、「なんかおもしろいんです。こういう子、初めてです」と笑顔で言われ、今年から担任になった男性教諭には、「みんなの気持ちをなごませている」と。みんながいる場を、言葉でなく、感覚で、つくれる人になっている。
彼が本来持っていたものを、10歳まで潰されることなく育ち、わたしの方は、というと、散々潰しかけながら、彼の姿を理解できるように……ようやくなってきたのかな、そんな感じだ。

今、小学校の先生方と息子の話をする時、わたし自身、臆せず気持ちの話ができるているし、先生方とは、息子だけでなく、子どもたちの気持ちの話を共有したいなと、常々思っている。

先日、わりと強い雨の日の朝、登校時、自宅に傘がなかった。玄関で空を見上げて「どうしたらいいかなぁ」と呟く息子。子どもたちの傘を車につんでいたので、車にあるよ、と声をかけたら、「行ってきます」と出ていってしまった。
自宅から学校まで400メートルくらい。集団登校。傘をささないで行ったのか、アホだなぁと思ったけれど、近所の友だちの傘にいれてもらうのかな?とも思った。
帰宅して聞いたら「あれくらいなら、学校行くまで濡れても風邪ひかないだろうと思ったからさ。学校いる間、すぐに洋服乾いちゃったよ。それより、雨は好きじゃないんだけど、雨に濡れるのは好きなんだよ」と。

昔々のわたしなら、まず車に行って傘を取ってきて、濡れるから持っていきなさいと渡しただろう。傘無しで登校したと知ったら、学校は近いし、下駄箱まで届けていたかもしれない。

雨に濡れるのが好き。
年長の時、雨降りのなか、川を思いっきり走っていた息子の姿を思い出した。とても生き生きとしていた。