5月 うさぎ組

今日はクラスを分けて活動する日

 年中7人  森を歩く

どんどん登っていく

いつも一緒にいる年長、年少がいない時間

ちょっとるんるんしている感じで たいちゃんは1人、先頭を張り切って歩いていた

しかし、みんなと距離が開き始める

ついに見えない所まで行ってしまいそうになる

ピッコロでは「大人の見えない所に行かない」 という決まりがある

(自分で見えない所に行かない、 自分で判断できる子に育ってもらいたいという願い)

その様子を見ていた年中6人、たいちゃんを呼ぶ

(子どもも、たいちゃんが先頭を歩いていて、距離ができはじめて、 見えない所に行ってしまいそうだなということを感じていた。 自分以外の子の様子もよくわかっている)

子「見えないよ~~!!」

子「見えない所行かないよ~~!!」

大きな声が響き渡る

でも、止まることなくそのまま行ってしまう

見えなくなる寸前 やっと止まって後ろを振り向き降りてきた

降りてきたたいちゃんに6人はほっとした顔を見せる

しかし、すぐに

子「見えなかったよ!!」

子「熊がいてもすぐ助けに行けないんだよ!!」

子「どうして見えない所まで行ったの?」

と、声を大きくして怒る年中

たいちゃん「(上に)行きたかった。あと、だめだな~も思っていた」

こっちゃん「だめだな~って思っていたのに、行っちゃったの?

これは森の神様の所(子ども達の中で神様がいるという大きな石がある所)に行くしかない」

たいちゃん「いやだ~~」(泣きだす)

(神様の話を聞き、行きたくない気持ちを出す)

その後もずっと、

子「熊にたべられるよ」

子「他の誰かにつれていかれるよ」

子「どこにいるのかわからなかったよ」

子「聞こえていたのにどうして行っちゃったの?」

顔と顔がくっつきそうなぐらいぎゅっと近くに寄り、

たいちゃんに寄り添い、心の底から心配している

そんな中、一言も話さないせいや

ちょっと泣きそうな顔をして見ているのが気になる

聞いてみる

私「どうしたの?」

せいや「悲しいから」

たいちゃんを心配して心配してそんな顔になっていた

たいちゃんもその様子を見ている

色々教えてくれる子もいれば、静かに見守る子もいて、

悲しそうに見守る子もいる

私「みんな心配しているんだね」 という言葉に

たいちゃんの目からぽろぽろこぼれ落ちる涙

みんなのいろんな思いを聞いて泣いた

それまで神様の石の所へ行くのをためらっていた、たいちゃんだったが、

神様の石の所に行くという考えに変わる

歩き出し、森の神様の石の所まで行くと

ぼそっとたいちゃんの声が聞こえる

「(森の神様に言っている言葉を)みんなに聞かれるのはいやだ」

その声を聞いた瞬間、 年中6人は、言葉を交わすことなく、

さーーーーーーーーっとその場から離れ、

少し後ろの大きな木の後ろに隠れ、たいちゃんを見守る

たいちゃんは森の神様と対話し 自分はどうしたらいいのか考えていた

「たいちゃん、あやまるよ」も、

「じゃ、木の後ろに離れようか」というような そんな声かけがないことに驚く

「聞かれるのはいや」というたいちゃんの気持ちに寄り添う

5月の年中

目の前にいる友に真剣に向き合っている姿がとっても眩しく

そんな子に育っていてうれしく思った日だった

保育スタッフ まなみ