倒れた木

森の中で遊んでいると、
メリメリ~っと木が倒れる音がした
あわててその場に行ってみると、
みこちゃん(年中)がそのすぐ横にいた
(長さは2.5メートルぐらい、木の太さは5㎝ぐらいの木)
手をかけたら倒れてしまった


その音を聞いた何人かの子が自然に集まり、倒れている木を見ている
しーんとする、、、、、
子どもが感じる時間
この時間をたくさん作りたい
(大人は壊しがち、すぐ何か言いたくなってしまう)

子:なんでだろう、、、
子:どうして?

(ぼそぼそ聞こえる、色々感じている)
よっちゃん(年長):誰か根っこ切っちゃったのかな
ショウリュウくん(年長):根が長くあれば倒れにくい
(2人とも根っこがどうなっているのかを見ていた)
根っこが長い方が倒れにくいと考えていた

とにかく考える


すると、急に

よっちゃん:ここにあるとみんなが目にささる

木が倒れた場所は、いつも森の上の方に行く道
ふさいでいる

みんなのことを思い、
目に刺さってしまうから
その木を反対側に移動することを考えた

そして、
よっちゃん:かわいそうだなー

と言いながら、倒れた木の枝を折っていく

何本も何本も、、、

それをみた何人かの子も枝を折っていく

さきちゃん(年少)は、落ちている葉っぱをたっくさん持ってきて

「クッション~」
と言いながらやさしくその木にかけている
木に寄り添っている

枝がほとんどなくなった木を、
よっちゃんとおーちゃん(年長)の2人で

持ち上げ反対側に倒した

よっちゃん:誰も目にささらなくてよかった
と言いながらその場を去って行く
そして、その場に誰もいなくなった

みんながいなくなった瞬間に

木を倒してしまったみこくんは
横になっている木の前に立ち
自分の持っている水筒のふたを開けて、
その木の根元に水をかけた

・・・・・・・・
静かな時間が流れる
・・・・・・・・

私:どうして水をかけたの?
みこちゃん:たおれちゃったから

よっちゃんが枝を折っている間、
他のことをしていた
でもよーく見ると、他のことをしているんだけど
その場を離れることなく
ずっとその様子を見ていたみこちゃん

自分がそうしたかった
そうしてあげたかった
そういう気持ちだった
ちょっと遊んでいるようにしか見えなかったけど
みこちゃんの中に何かが積もっていた

話し終わると、下に落ちている折った木を拾い
手に持つみこちゃんの姿があった

保育スタッフ まなみ