言えるとき

お泊まり保育が近くなってきた
毎年パイナップル(年長)が園舎に泊まる
そこでお泊まりするかどうかを前に出てもらい
パイナップルが言っていくことに
「考え中」
「泊まる」など色々今の自分の思いを伝える

パイナップルのまきくん
前に出るのも恥ずかしく、しゃがみながら前に進んで行き
端の方で座っている
パイナップルになって何度もこの場面があり、
なかなか言えない日が続いていた

みんな言っていき最後にまきくんが残る
わこちゃんが聞きに行く
いつも最初に聞きに行くのはわこちゃん
下を向いているまきくんのさらに下から顔をのぞき聞いてあげている
わこちゃん「お泊まりするって」
先生「これはニュース(出来事)じゃないから自分から言わないと」
今までまきくんに聞いてあげた子がその都度、みんなに伝えていた
少し甘えている所もあった
でも今日は自分から言うよ、甘えてしまわない所をズバリまきくんに伝える

パイナップル全員がまきくんの周りに集まる
先生「パイナップルだけでなんとか言える様にお願い」
ここでパイナップルだけに任せてみることに

下を向いているまきくん
そのさらに下から顔を出して聞いているわこちゃん
頭が地面についている
パイナップルみんな
「まきがんばって」
「お願い」
しかし何も答えない

「みんなで立たせてあげようか」
ここまでたくさ~ん心を寄せてきたが、
何も言わないまきくん

だんだん
「まきが何も言わないからいやな気持ち」
「もう遊びたい」
に変わっていく

先生「何も言わないからあきてきちゃうよね」(ここは大人が入る)

先生「まきは何で言えないのかな?」
パイナップルに聞く

「はずかしいからじゃない」
「でも鳥の事とかは言えるよね」
(朝の会などであらたまって聞く時には言えないけど、
困ったこと、知っていることなどあると教えてくれる)

先生「りょうせいくんはどうして言えるようになったの?」
(りょうせいくんもなかなか言えなかった)

りょうせいくん「ようちえんで練習していた」
先生「いつしていたの?」
りょうせいくん「朝の会で」
まさか朝の会本番中に練習していたとは!!

みーちゃん「はずかしかった、家で練習していた」
みーちゃんも恥ずかしくて言えない時があった
それをまきくんに伝える
みんなも恥ずかしかったんだ~
そうだったんだ~と知るまきくん

すると、
りょうせいくん「まきは練習していないと思う、
まきは何も言わないんだもん」

それまでまきくんにこれでもかというぐらい心を寄せてきた
そしてりょうせいくんが自分の気持ちを伝える
まだまきくんは何もしていないよ
と言ったような気がした

わこちゃん「みんなに立たせてもらう?」
まきくん「うん」
(さっきも同じ質問をしたが何も答えなかったが答えた!!)
後ろからわこちゃん、まきくんを抱えて立ちあげる

まきくん、小さい小さい声で「いく」
ついに言った!!

言ったまきくんに大喜びのパイナップル~
パイナップル「みんな集まって~」
(もうすでに帰りの会は終わっていたので、
うさぎ(年中)とおばけ(年少)は帰る準備や遊んでいた)
と、もう一度まきくんから聞くことに

集まった子ども達
先生「パイナップルさんもう一度最初からお願いします」
まきくんの後ろにわこちゃん
後ろから支えている
その後ろにパイナップルが並ぶ
みんなまきくんを支えたい気持ちでいっぱい

あっという間にまきくんが先頭になっている
この状態を見ると
まきくんから言っていく?という感じ

すると、急に後ろにいたはくちゃんがまきくんの横に行く
はくちゃん「さっきは考え中って言っていたけど泊まる」
まきくんが最初だと言えないかなと思い
最初言ってあげたはくちゃん

はくちゃんに続き、まきくんの横に出て言っていくパイナップル
最後はまきくんになると思っていたら
わこちゃんがまきくんが最後になってよけい言いにくいかなと思い、
まきくんの横に移動し座るわこちゃん
まきくんを見守る
すると
まきくん「いく」

自分の口でみんなの前で言った!まきくん!!
みんな拍手~♪
さて明日はどうなるかな?

保育スタッフ まなみ